ヘリト・ファン・ホントホルスト「羊飼いの礼拝」

ヘリト・ファン・ホントホルスト「羊飼いの礼拝」(1622年) 
HONTHORST, Gerrit van"Adoration of the Shepherds"
ケルン、ヴァルラフ=リヒャルツ美術館蔵

家畜小屋で生まれたイエスのもとへ最初の礼拝者がやってきた。彼らは夜通し羊の番をしていたところ、天使が現れて救世主の誕生を告げられたのだ。
急ぎベツレヘムへ向かった三人の羊飼いは誕生を祝う言葉を述べ、贈り物を捧げた。贈り物は一頭の羊と、羊飼いの杖と笛。それは彼らの生活必需品であり、なけなしの財産である。それを捧げることによって最大級のお祝いとしたのだ。

ホントホルスト(1590〜1656年、ユトレヒト)は光と影の描写を駆使し、劇的な空間を生み出した。この絵においては救世主自身が光源となり、周囲を柔らかく照らし出している。ヨセフとマリアの慈愛に満ちた表情と羊飼いたちの喜びが、見ているこちらの気持ちを優しくさせる。

Adoration of the Shepherds
1622,Oil on canvas, 164 x 190 cm
Wallraf-Richartz Museum, Cologne

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