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カミーユ・コロー「真珠の女」(1868〜1870年)
Corot, Jean-Baptiste-Camille ”La femme a la perle”
パリ、ルーブル美術館蔵

この絵はコロー(1796〜1875年)がモナ・リザを強く意識して描いたと言われている。「モナ・リザ」が神秘的な微笑をたたえている一方、コローの描いた「モナ・リザ」はとても優しく温かい表情である。

彼がこの絵の制作に着手したのは1868年で、2年ほど前から痛風のために旅行しにくい状況だった。風景画が描けないということもあったのだろうが、一方では専門外ならではの気楽さもあっただろう。この時期の彼の風景画は回想的で夢の世界のようだが、人物画の方はむしろ彼の若い頃の風景画のようにはっきりとした輪郭で描かれている。彼はこの絵を大変気に入っていた。この絵が完成して5年後に彼は亡くなるが、その時まで自宅の居間に大事に飾っていたという。
不思議な縁もあるもので、現在は「モナ・リザ」と一緒にルーブル美術館に収められている。ちなみにタイトルの「真珠」は、木の葉の冠が額に落とす影を人々が見誤ったものである。

なお、「モナ・リザ」はSunSITE Japan Web Museumの"Leonardo da Vinci La Joconde"で見ることができる。

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"La femme a la perle"
Oil on canvas, 70 x 55 cm;
Musee du Louvre, Paris

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